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何かものを書きたくなった時のための場所

Whenever you'd like to note something small,,,

雨のBrussel(20/2/2016)

以前のエントリでは何だか威勢よく終わらせたが、
実際にはスマホの電源がつかないのには全く焦った。
今回の渡欧の直前に購入した最新機種、Xperia Z5 Compactである。
こんなとこでおだぶつしてもらっては困る。

King's Cross St.のトイレ(もちろん有料)のコンセントを勝手に拝借して、こそこそ充電したりした。しかし、一向に反応無し。

スマホが使えないということは、GPSが使えないということであり、またホステル探しも地球の歩き方頼み、ということである。
初の海外一人旅としては、全く厄介な事態。

相変わらず先行き不安が絶えないなあ、と肩をすくめ、
ユーロスターの乗り場へ。

荷物検査はかなりの列。金属探知機には、毎度のごとくひっかかってしまう。
フランス系の人がやはり多いので、若干びびりながら列車を待った。

ユーロスターは、すぐ海にもぐるものかと思っていたが意外に長く地上を走った後、ドーヴァー海峡を越えていく。何にせよ、わりに退屈な特急列車なのだ。

フランスに入ってからは、イギリスとは趣の異なる景色で、ほうっとなった。
畑が広がり、風車が立つ。

リールを経由し、終点のブリュッセル南駅に着く。
まずは今夜泊まるホステルを探さねばならない。
第一候補はBruegelという名のYH。

曇天。南駅からブリュッセル中心部に向かうエリアは、何だか治安が悪そうな雰囲気がプンプンする。路面はボコボコ。建物もボロボロ。街は落書きだらけ。
イスラム系らしき婦人の物乞いを断り、キャリーバッグをひいてひたすら歩く。

全体に移民が多めの地区で、ごろつっきぽい人も多いので警戒しながら。
途中から小雨がポツポツ。

地球の歩き方のざっくりした地図しかなかったのだけど、何とか目当てのYHにたどり着いた。
大きな教会のすぐ隣りにある。
予約なしで空いているドミトリーがあるのか心配だったのだが、受付のお姉さんは快くOKしてくれた。
感動的なことにイギリスで聞いたどの英語よりも聞き取りやすい英語である。

部屋には先客が一人いた。わりに普通の人っぽい感じだったので安心する。
安全に夜を越す確証がないことが一番不安だったから、ここでの安心はとても大きかった。
メルシー、地球の歩き方

荷物をおいてブリュッセル観光に出かける。

観光地としても名高いBrusselだが、洒落たイメージとは裏腹に、
どこかの建物の陰から、常に誰かが見ているような気配のある、少し怖い街だった。
(まあ、雨宿りしているだけだったのかもしれないけど)

小便小僧を尻目に、グランプラス広場に向かう。
「世界で最も美しい広場」なんて言われているらしいが、まあちょっと盛ってるんじゃないかとおもう。確かに立派ではあるのだけれど。f:id:kb_kou:20160220143259j:plain
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市庁舎内のインフォメーションセンターで市内の地図を買い、作戦を練る。
ほんとはEU議会をぜひ訪れてみたかったが、その時間的余裕はなかった。

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Rue des Bouchersという高級チョコレート店でいっぱいのショッピングモールを抜け、
まずはSt.Michel大聖堂のカリヨンの響きを聴く。ここもゴシック式の立派な教会だ。
ちょうどミサをやっているところで、司祭がフランス語でお説教をしていた。

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雨に濡れながら、ロワイヤル広場をめざす。馬に乗った王様の大きな銅像が雨に濡れながら、ブリュッセルの街を見下ろしている。
階段を登っていくと、カラースプレーでめっちゃ落書きしている若者たちがいた。

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王室の威厳があって、とても立派なのだけど、どこかガタが来てるような危なっかしい感覚がこの街には常にある。

広場をあがりきると、王立美術館がある。
予定にはなかったが、これ以上雨に濡れるのも嫌だったので入ることにした。
せっかく買った市内地図は見事に役目を果たしびしょぬれのしわくちゃになっていた。

ここの美術館はルーベンスブリューゲルでとても有名だ。
実際、多くの作品があって楽しかった。
ケンブリッジでもとても良い博物館に行っていたので、ルネサンス以来の宗教画には少々飽きていたのだけど、そんな中、潮流に逆らい新しい題材と描き方を見いだしたブリューゲルはすげえなあと思った。

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この美術館はマグリットでも有名なので、見ればよかったと後で悔やんだ。

ヨーロッパの美術館はでかい。
外に出た頃にはいささか足がくたびれていた。
もう少し歩いて王宮の方へ。路面がボッコボコだ。お金ないのかな……


夜は肉屋小路でムール貝のアレを食べようと決めていた。
怪しげなお店ばかり。
日本人のツアー客がいたので着いていこうと思ったのだけど、彼らは既に食事の後だったみたいだ。

ちょっと迷ったがそこそこ雰囲気の良さそうな、お客もそれなりに入っている街角の店に入った。
11ユーロでムール貝のコースを出してくれると看板に書いてあった。
が、中に入って渡されたメニュー表には記載がない。
おかしいと思って周りをうかがうと、2人連れの客にはそのスペシャルメニューを渡していた。
これはカモにされかけてるな、と思い、あのメニューを見せてくれ、と店員に言う。
やっこさん、いかにもチェッという感じだった。

結果的には安く、ブリュッセル名物にありつけたので良かった。
勿論ベルギービールを頼んだ。そして、前菜は可もなく不可もないトマトスープ、メインはフリッツとムール貝、デザートはほんのちょっとのワッフルだ。
でもまずくなかったよ。ムール貝の量の多さには途中から作業みたいな気持ちにさせられたけれど。

そもそも今回、ベルギーに寄ったのは先学期に取っていた比較政治の授業で、教授が激推ししていたからなのだけど、言うほど洒落た場所ではないよなーというのが正直なところ。ただ観光地らしい猥雑さというか、賑わいみたいなものと、フランドルの趣きみたいなものはあって、面白い場所だとは思う。

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ホステルにもどったら、もう一人おっさんが増えていた。
体が悪いらしく、ベッドを変えてくれないかと頼まれ、引き受ける。

2段ベッドから降りるのに苦労していたから、手を貸したらとてもありがたがってくれた。
フランス語しかしゃべれないようだったが、何とかコミュニケーションを図ってくれたのが嬉しかった。

シャワーは固定されてて全身くまなく洗えないし、
最初、冷水しか出なかったのでちょっと萎えたけれど、まあ仕方がない。
ちなみにこの宿24.45ユーロで泊まった。3000円くらい。だからまあ、仕方がない。

夜は外から、騒ぐアル中たちの声も聞こえたけれど
疲れていたから、それなりによく眠れた。

次の日の朝は、お湯をうまく出せた。
ばかりでなく、スマホの充電を試みたら、なんと復活した。
こんなこともあるのである。
めちゃくちゃテンションあがって思わずその場でラジオ体操第一を踊った。

朝食も簡素だが十分で満足した。
大学生風のお姉さんがスタッフをしていたのだけど、綺麗で親切だった。

まだ夜は明けてなかったけれど、もうベルギーは去らねばならなかった。
イメージとの落差はあったものの、この頃にはもうブリュッセルの街が少し好きになり始めていた。

通りを歩くたびに甘くて高い小さな幸せに出くわし、人々が言葉を交わすたびにMerci!が聞こえてくる。
むろんその陰に貧困や差別が、あるいは粗雑な暴力、堕落があるとしても
それら全てを呑み込んで、なお賑々しく人が遊び、生きている。

そんな街だ。

タリスに乗ってドイツに向かう。
たまたま一等の席のほうが安くて、そっちを取ったので、快適なサービスを受けられた。
フランス流のもてなしは丁寧で素敵だ。

次はどんな街だろうか。

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